ストーブの上で空気が揺らめいている。冬だから。

1期生がまた一人卒業を発表しました。結局、あのグループの未来はどこに行ったのか。以前、とても強烈で印象的なツイートを見かけました。運営批判と言いますか、一部の1期メンバーの努力が報われないまま若いメンバーにシフトしていこうとしている現状への失望感をあらわにしたツイートで、正確な文面は覚えていないが「結局は女の子の若さを消費するだけのグループになり下がってしまった」というような内容でした。アイドルグループってそういうもんだろ、と思う人もいると思いますが、私も乃木は「若さを消費するだけ」に終わらず、所謂アイドルとしての適齢を超えても、卒業しても、乃木坂という大きな枠組みの中で活躍をサポートしていけるような新しいモデルを打ち出そうと模索しているのでは、と思っていたので言いたいことは何となく分かります。乃木の中で人生を全部やっていけるような仕組みというか。

 でもそれは初めから幻想だったような気もする。そもそもなぜ乃木にそのような幻想を見たかというと、彼女らの魅力の核となっている仲の良さ、長い時間をかけて積み重ねてきたメンバー同士の関係性が生み出すグループの空気感は芸能界で新しい価値として機能するんじゃないかと期待したからです。これまでのTVショーの中枢で支配的だった価値観から離れて独自のコミュニティを形成していけるのではないか、と。テレビからネットへの移行の流れの中で一つはそういう小さな革命が起こるような気がしていて、それが乃木だったら良いと思っていたのですが。

 白石御大は「乃木坂という一つのブランドにしていきたい」というような発言をしており、共感しかなかったのだが。しかし冷静になってみれば乃木も結局は普通のアイドルグループだったということだと思います。もういっそ橋…………さんが芸能事務所を立ち上げるとかそういう異次元の展開が起こらないかな。いま、唯一無二と思われた価値はメンバーの卒業という形で少しずつ剥がされて視聴者の目の前から消えていく(彼女らのプライベートには残り続けるのでしょうが)。

 

 全員幸せになってくれと願うばかりです。いや、どうでもよいな。

別の人(多分女性)のツイートで「かわいい女の子はみんな乃木坂になれ」というものがあり、これにも非常に共感しました。概念としての乃木坂。人生を預けられるシステムとしての乃木坂。乃木坂らしさという価値を育み発信し続けるメディアとしての乃木坂。そういったものが実現すれば面白いのになと思っています。

卒業生の活躍が鍵です。